口腔ケア

介護現場における口腔ケアはとても重要です!

口腔ケアとは

口腔ケアとは健康的な生活を送るために必要不可欠なケアです。
お口の中を健康に保つことで全身の身体機能の維持・向上が期待できます。
日本口腔ケア学会によると、口腔ケアとは以下のように定義されています。

口腔ケアとは、口腔の疾病予防、健康保持・増進、リハビリテーションによりQOLの向上を目指した科学であり技術です。
具体的には、検診、口腔清掃、義歯の着脱と手入れ、咀嚼・摂食・嚥下(そしゃく・せっしょく・えんげ)のリハビリ、歯肉・頬部のマッサージ、食事の介護、口臭の除去、口腔乾燥予防などがあります。

引用:日本口腔ケア学会 2019年6月25日時点

口腔ケアの目的

口腔ケアには主に2つの目的があります。
1つ目は口の衛生を保つ「器質的口腔ケア」2つ目は口の機能を維持向上するための「機能的口腔ケア」です。

「器質的口腔ケア」は口の中を清掃し、清潔な状態を保つことを目的としています。
口の中が清潔であれば、虫歯や歯周病の予防ができます。

「機能的口腔ケア」は食べ物を飲み込む力、嚥下機能の維持・向上を目的としています。
マッサージや体操などで嚥下機能を向上できれば、高齢者に多い誤嚥性肺炎を予防することができます。

口腔トラブルを知っておこう

食べ物残渣の停滞

食べ物残渣の停滞

食べ物残渣とは、食後、口の中に取り残された食べかすのことです。この食べかすが残ると口の中で細菌が繁殖します。
食べ物残渣は虫歯や口臭トラブルを引き起こすだけでなく、食べ物残渣が食後に誤嚥され、同時に細菌を飲み込んで誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。

歯周病

歯周病

歯周組織が歯周病菌に感染すると、歯茎が腫れ、出血し、最後には歯が抜けてしまいます。
高齢になると唾液の分泌が少なくなり、口腔の自浄作用が弱まって細菌が繁殖しやすい状態になっています。
加齢により免疫力が低下すると歯周病にもかかりやすく、進行しやすい状態となります。

う蝕(うしょく)

う蝕(うしょく)

う蝕とは一般的に虫歯と呼ばれます。虫歯菌が作り出した酸によって歯が溶かされる病気です。高齢者は歯茎が痩せて歯の根が露出するので、根面う蝕になりやすいです。

義歯の清掃不良

義歯の清掃不良

義歯、入れ歯にも歯と同じように歯垢がつきます。毎日の清掃が行き届かないと口内で細菌が繁殖してしまいます。

認知症

認知症

歯周病とアルツハイマー型認知症との因果関係はまだ解明されていませんが、マウスを使った動物実験では歯周病が認知症に影響を及ぼしていることがわかります。認知症のマウスに歯周病を発症させると、歯周病でない認知症のマウスに比べて認知機能が悪化していたのです。口の中の歯周病菌が血流に乗って脳に影響を与えているのではないか、と考えられます。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は嚥下機能が衰えた高齢者に多く見られます。
食べ物が気管に入ってしまい細菌が繁殖し、肺炎を起こします。
厚生労働省による平成29年度人口動態統計で、誤嚥性肺炎が原因で亡くなった人は全国で約36,000人と報告されており、死因順位の第7位となっています。

口腔ケアの効果・メリット

メリット1 口腔内が清潔になる

メリット1 口腔内が清潔になる

口腔内が清潔に保たれると歯周病、口内炎、口臭などのトラブルが激減します。
歯周病の症状が強い時には入れ歯が安定せず、入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まって痛みを感じることもあります。
口腔内を清潔にしているとそういった症状は改善されます。

メリット2 食事が美味しくなる

メリット2 食事が美味しくなる

口腔ケアで口腔内が清潔になれば食欲が向上し、食欲が増進します。
口腔内トラブルが改善すれば、口内に感じる違和感や痛みが無くなり、唾液が適切に分泌され食事を楽しむことができるようになります。

メリット3 コミュニケーションがとりやすくなる

メリット3 コミュニケーションがとりやすくなる

口腔ケアを続けるとコミュニケーションがとりやすくなります。
肩や首の体操、唇や頰のマッサージや、発声の練習によって口周りの筋肉が発達し、発音が明瞭になるので、意思の疎通が取りやすくなります。

自宅でもできる口腔ケア

ご自宅でも口腔ケアを習慣化させることで様々な効果を得ることができます。

唾液腺マッサージ

唾液腺マッサージ

高齢になると唾液の分泌量が少なくなります。唾液腺の分泌を促すマッサージを行い口腔環境を改善しましょう。
耳下腺、顎下腺、舌下腺と呼ばれる、3つの唾液腺をマッサージしましょう。
耳下腺は耳の下。 顎下腺は顎の骨の内側。舌下腺は舌の真下です。

嚥下体操

嚥下体操

嚥下体操は食べるために必要な筋肉を鍛える体操です。柔らかいものばかり食べるようになると噛む回数が減るので、脳への刺激が減って認知症に悪影響を及ぼします。首や肩を動かしたり、舌を出して頰を鍛えたり、パタカラ体操といった発声練習を行います。

便利な口腔ケアグッズ

便利な口腔ケアグッズ

  • 歯ブラシ
    … 電動歯ブラシを使用すれば手が不自由で歯磨きの力がない人でも使用しやすいです。
  • 歯間ブラシ
    … 歯と歯の間の食べかす、歯垢を清掃することができます。
  • スポンジブラシ
    … 頰の内側の清掃、刺激を与えたい時に使用できます。
  • 舌ブラシ
    … 舌を清掃できます。
  • 義歯ブラシ
    … 義歯を清掃する時に使います。

きらら訪問歯科クリニックで口腔ケア

きらら訪問歯科クリニックで口腔ケア

疾患を抱える高齢者ほど口腔ケアを行いにくく、治療が必要な状態になる方もいます。しかし、歯科に通院し順番待ちするのが負担ですし、待合室で感染症に罹患する恐れもあり、なかなか歯科受診につながらないものです。
歯科医師や歯科衛生士などが専用機材を持参して診察する「訪問歯科」を利用することで、病院へ行く煩わしさとリスクを低減し、時間も節約できます。

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